ガウディは、一言で言うと、「自然を建築に落とし込んだひと」です。ガウディは自然をこよなく愛し、そしてその自然のつくりから、かたちの造形をまなび、建物として表現しようとしました。


 そんな、「自然から学びとって表現する」というのが、ガウディらしく、他に例をみないような一見不思議で特徴的なかたちを生み出したのです。

目次

  1. ガウディが生きた時代
  2. バルセロナという都市
  3. ガウディ建築のいろいろ
  4. Casa Vicens|カサ・ビセンス
  5. Villa Bellesguard|ビラ・ベレスガード
  6. まとめと参考文献|ガウディとバルセロナ

ガウディが生きた時代

画像

 ガウディは1852年にスペインのバルセロナ郊外に生まれました。ちょうど前年の1851年には、ロンドンにおいて第一回万国博覧会が開催され、クリスタル・パレスが脚光をあびるなど、機械生産や大量生産的な最新の技術をもちいた工法が注目られていました。

バルセロナという都市

画像

 バルセロナという街自体は、どんどん大きくなるについて、グリットのようなかたちの都市計画がおこなられました。(バルセロナ拡張計画) これの指揮をとった、セルダは、労働者階級について、”どうしたら彼らの生活が改善できるか”を目的に、当時のバルセロナの現状地図を作成しました。

 その後、ブルジョアと労働者たちの格差(当時は、ブルジョアは日当たりのよく恵まれた土地に住み、労働者たちはじめじめしたところに住んでいた)をなくすために、計画をしました。

 セルダは、ひとつの街区に、ブルジョアのひとや労働者やさまざまなひとが、いっしょに住む理想の都市像を考えたのです。そんなふうにして、現在ものこっている、グリット状(正方形がたくさんならんでいる)バルセロナの街はできあがりました。

 セルダの都市計画について、もっと詳しく知りたい場合は、「バルセロナにおける都市計画の展開と歴史都心の再生に関する研究」と「イルデフォンソ・セルダの著書「都市計画の一般理論」に至る計画概念についての試論」というPDFがわかりやすかったです。

ガウディ建築のいろいろ

ガウディが建てた建築をいくつか見てきたので、それについて紹介とお話をしようとおもいます。

Casa Vicens|カサ・ビセンス

画像

 ガウディが最初に設計をした民家です。そのため、ガウディらしい有機的な建築のかたちが前面にでているというよりは、構造は一般的な住宅でありつつも、装飾はガウディらしい自然を表現したものが多いことが特徴です。

 実際に訪れてみた感じたのは、”家族が快適にすごせる別荘”という言葉がとてもふさわしいこと。ベランダに暖簾がかぶさっていたり、まどのちかくに、そんびりできる備え付けのソファがあったりと、「ここで夏を過ごしたら快適だろうな」と思える家でした。

画像
家の入り口。細かい装飾やアプローチの手すりなど、ひとつひとつが丁寧に装飾されている。そして、右の柵にもみえるように、植物の葉がモチーフに使われています。
画像
ベランダの様子。室外ではあるものの、すだれがかけられ、直射日光を防いで、ゆっくりできるスペースになっています。節々に自然モチーフの絵や、彫刻があるのと、木の使い方がすてき。
画像
この建物で印象的にのこっているのが、壁の装飾。一面の壁に対して、異なる絵の装飾をつけたり、タイルをつかったり、木をつかったりと、とてもこだわっている様子。さらに、それぞれの壁で全然ちがうかた驚きでした。

Villa Bellesguard|ビラ・ベレスガード

画像

 これは、中世の宮殿をガウディが改装したものです。もともとの宮殿は、ネオ・ゴシック様式のもので、ほかのガウディ建築にはない、カクカクした協会の構造や直線の多いかたちが印象的です。

 もともとこの宮殿は、1410年になくなった、カタルーニャ王朝サイドの王マルティン1世のものでした。彼の世継ぎに関する、モザイク画などが、建物の前のベンチに描かれています。

画像
マルティン1世の息子(世継ぎ)がなくなったことを知らせる、船が到着したときの様子をあらわしたもモザイクのイラスト。建物の入り口のところにあるベンチに描かれています。


 行ってみて感動したのは、「白い漆喰の美しさ」でした。協会という、直線が魅力の建物でありながらも、内部ではポイントポイントで、丸みを帯びたかたちがでていたり、白い漆喰のおかげで、モザイクなどの装飾がはえていました。ところどころにさまざまな装飾があり、みればみるほど、どんどん好きになっていく建築です。

画像
宮殿の入り口のはいったことをを上からのぞむ。白いしっくいと、青い装飾のコントラストが綺麗で、あそびごころがたくさん。
画像
天井は、蜘蛛の巣みたいな、植物のようなかたち。

まとめと参考文献|ガウディとバルセロナ

 以上、ガウディとバルセロナの都市のなりたちについて、とても簡単にまとめました。ガウディ建築のことに関しては、今後も違うものについて書いて行く予定です。

 以下、ガウディもしくは、バルセロナの都市のあり方について参考になる図書をまとめました。

Amazon.co.jp: ガウディの伝言 (光文社新書) eBook : 外尾 悦郎: Kindle StoreAmazon.co.jp: ガウディの伝言 (光文社新書) eBook : 外尾 悦郎: Kindle Storeamzn.to

Amazon.co.jp: ガウディ:建築家の見た夢 (「知の再発見」双書) : フィリップ ティエボー, 伸行, 千足, Thi´ebaut,Philippe, ゆかり, 遠藤: Japanese BooksAmazon.co.jp: ガウディ:建築家の見た夢 (「知の再発見」双書) : フィリップ ティエボー, 伸行, 千足,amzn.to

Amazon.co.jp: Casa BRUTUS特別編集 ガウディと井上雄彦 (マガジンハウスムック CASA BRUTUS) : マガジンハウス: Japanese BooksAmazon.co.jp: Casa BRUTUS特別編集 ガウディと井上雄彦 (マガジンハウスムック CASA BRUTamzn.to

Amazon.co.jp: バルセロナのガウディ建築案内 (コロナ・ブックス) : 丹下 敏明: Japanese BooksAmazon.co.jp: バルセロナのガウディ建築案内 (コロナ・ブックス) : 丹下 敏明: Japanese Booamzn.to


また、バルセロナの都市を理解・勉強になる本は以下の通りです。

Amazon.co.jp: バルセロナ—地中海都市の歴史と文化 (中公新書) : 岡部 明子: Japanese BooksAmazon.co.jp: バルセロナ—地中海都市の歴史と文化 (中公新書) : 岡部 明子: Japanese Bookamzn.to

Amazon.co.jp: 近代都市バルセロナの形成: 都市空間・芸術家・パトロン : 佳子, 山道, 徳敏, 鳥居, 亮, 木下, 由香利, 八嶋: Japanese BooksAmazon.co.jp: 近代都市バルセロナの形成: 都市空間・芸術家・パトロン : 佳子, 山道, 徳敏, 鳥居, 亮amzn.to


 読んでくれてありがとうございました。

イギリスの暮らし

タグ

イギリス大学院留学

暮らしと考え方

YouTubeもやっています♡見にきてください!

Categories

Login